香川照之 その血と執念|喜熨斗勝

文春歌舞伎!

「週刊文春」編集部
エンタメ 芸能

「この船に乗らないわけにはいかない。それが僕の人生なんです」。かつて涙を浮かべて歌舞伎界入りを宣言した香川。彼の胸中を親族が語る。

 

きのしまさる 1935年神奈川県鎌倉市生まれ。父は二代目市川小太夫、伯父は初代市川猿翁。鎌倉学園中高時代に演劇部に参加し、劇団民藝の演出家・松尾哲次の研究会で演出や演技を学ぶ。明治大学演劇学科卒業後、文化放送に入社。63年にフリーとなり、『3時のあなた』(フジテレビ系)などで司会を務める。著書に『歌舞伎 芸と血筋の熱い裏側』。

喜熨斗勝氏

「まさるさーん、あなたに会いたかったー」

 香川照之君は、数十年ぶりに再会したとき、そう言って私の手を握りました。彼独特のパフォーマンスですよ。不思議と悪い気はしませんでしたね。

香川

 私は、香川君からみると曽祖父の甥にあたります。香川君の父・三代目市川猿之助(現・二代目市川猿翁。本名・喜熨斗(きのし)政彦)より私の方が4歳上で、子供の頃は一緒に築地の明石町の本家の大きな屋敷でかくれんぼしたり、走り回ったり、木登りしたものです。

 もう50年以上前のことになるでしょうか。喜熨斗一族の法事が(千代田区)麹町の家であったとき、香川君が母で女優の浜木綿子さんに連れられていた姿を覚えています。まだ小さくて、かわいくってね。当時は一族の誰もが「この子がゆくゆくは團子(だんこ)になるんだ」と思っていました。

2カ月99円で
この続きが読めます。

有料会員になると、
全ての記事が読み放題

2024GW 特大キャンペーン 誰でも月額プラン最初の2ヶ月99円 4/24(水)〜5/7(火)10:00
  • 月額プラン

    99円/最初の2カ月

    3カ月目から通常価格2,200円

    期間限定

  • 年額プラン

    22,000円一括払い・1年更新

    1,833円/月

※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。

有料会員になると…

世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!

  • スクープ記事をいち早く読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
  • 解説番組が視聴できる
  • 会員限定ニュースレターが読める
有料会員についてもっと詳しく見る
  • 0

  • 0

  • 0

source : 週刊文春 2022年5月5日・12日号

無料ニュースレター登録はこちら

今すぐ登録する≫

期間限定キャンペーン中!月額プラン2カ月99円

今すぐ登録する≫