今年はロッテ・佐々木朗希投手(20)抜きには語れないシーズンとなっている。

もちろん28年ぶりの完全試合達成は快挙。加えて白井一行審判との騒動など、投げるたびに話題に事欠かないところもスターの要素が満載である。そんな佐々木の出現で、もう一つ、注目されているのが、将来を見据えて投げさせ過ぎないロッテの育成方針だった。
プロ1年目は1軍に帯同しながら身体作りに専念。2年目の昨季は5月にようやく1軍デビューを果たしたが、その後も球数と登板間隔を制限して11先発で3勝2敗の成績だった。
今季は先発ローテーション入りして週1登板を目標にしているが、それでも球数を管理して投げさせ過ぎない方針は守られている。そうした育成段階があるから、2試合連続完全試合を目前にしながら、球数が100球を越えた8回で降板させた井口資仁監督(47)への批判は、ほとんど出なかった。その後も疲れが見えれば1軍登録を抹消して、とにかく酷使しないことが最優先。その結果、肩肘の故障もなくここまできている。
実はそんな佐々木の活躍の一方で、気になるのは同期のヤクルト・奥川恭伸投手(21)の動向である。

昨年は9勝4敗でヤクルトのリーグ優勝に貢献。ポストシーズンでもエース的な活躍で日本一の原動力になった。ところが今季は3月29日の巨人戦に先発すると、4回53球で緊急降板。上半身のコンディション不良で1軍登録を抹消されると、その後はマウンドに姿がない。
「球団は詳細を発表していませんが、右肘の故障のようです。場合によっては手術の可能性もあり、いずれにしても長期離脱は確実です」(スポーツ紙デスク)
もちろんヤクルトも、奥川の育成には十分に気を使ってきていた。
「奥川は入団直後の自主トレで右肘の炎症が発覚。1年目は治療を優先して、2軍戦でも投球制限するなど慎重に使われてきています。昨年も現場の高津臣吾監督(53)は、もうちょっと使いたかったようですが、フロントが主導して中10日を基準に登板を管理。決して無理使いはしていなかったはずです」(同前)
高校での“投げ過ぎ”
それでも故障が起こった原因は、やはり高校時代まで遡ることになる。
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source : 週刊文春 2022年5月19日号