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ツッコミ不在で実現させる大胆さ 黄金期を彷彿とさせるバラエティ

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 フワちゃんの楽屋を訪れたスタッフが意を決したように話し出す。フワちゃんと浅草の街ブラロケをしたというが、「撮影したデータが全部なくなってしまった」というのだ。「頑張ってなんとかしたんで」というスタッフに「大丈夫なの?」と訝しむフワちゃん。そんな不穏なオープニングからスタートしたのが『ここにタイトルを入力』(フジテレビ)だ。元々昨年11、12月にフジテレビの若手実験枠「水曜NEXT!」で2回放送された番組が6回限定でレギュラー化されたもの。企画・演出は昨年の時点で入社わずか2年目だった原田和実。「水曜NEXT!」版では、「バイきんぐ小峠の今夜もグダグダ気分」と題した定番のひな壇トーク番組が行われた。だが、様子がなにやらおかしい。実は先にひな壇のブロックの収録を済ませ、それに小峠が後からMC部分を即興で付け加えるというものだった。つまり「もしも、多忙でスケジュールが合わなかったら」という“実験”だ。レギュラー版初回は、「クイズ・ファイブセンス」というクイズ番組。しかし、回答者の小峠は『志村けんのだいじょうぶだぁ』(フジテレビ)の鏡コントのように鏡を挟んで顔半分だけを出しているシュールな画。しかも時折、番組とは関係のない意味不明のことをつぶやいている。これは「もしもダブルブッキングをしてしまったら」の“解決策”で小峠は同時に2つの番組収録に参加していると後から種明かしされるのだ。若手らしい瑞々しいトガッたアイデアと、それをツッコミ不在で実現させる大胆さは、かつてのフジテレビ深夜黄金時代を思い起こさずにはいられない。

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source : 週刊文春 2022年5月19日号

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