コロナ禍で、メガネのセレクト需要がかなり増えました。照明の整っていない環境下でのリモートワークで視力を落とされたり、メガネとマスクをしてメイクはしない、という方が増えたからです。連載タイトルからは少しずれますが、日々スタイリングをしていて思うのは、メガネは人に選んでもらった方がいい、最たるアイテムだということです。
それにはいくつか理由があって、(1)自分以外が選んだほうが顔を客観視できる(2)視力の良くない本人より、目の前にいる人の方が全体を見て似合うかどうかを把握できる(3)新しいフレームにチャレンジができる、など。これを着けたい! と決まっている人以外は、優しく見せたいなど希望を伝えて選んでもらった方が良いです。
ただここでは勿論、自力でサングラス含めたメガネを選びたい方のために、私がお客様に選ぶ際に考えている点を書きますね。それは「顔のバランスを補完するメガネを選ぶ」です。まずは、上のフレームは眉の形に沿う事。眉が完全に見えなくなるのはバランスが悪くなるのでNG、また眉が太い人は上のフレームが無いものを選ぶ。つり目・タレ目については、下のフレームのラインを逆(タレ目の方は下のフレームが上がっているもの)にする。丸顔の方は、スクエアレンズを選び、細面の方は縦幅がしっかりあるレンズを選んで、お顔の中を「丸い」「細い」ばかりにしない、という事が大事です。
横幅についても、顔幅より内側に来るとお顔が大きく見えるので、お顔と同じ幅もしくは少し大きいくらいがバランスよく見えます。レンズ幅については、テンプル(つる部分)に数字で書いてありますので、サイズを測る際の参考にしてみてください。またフレームの位置により、目尻の小皺が隠れたり、瞼のくぼみが見えにくくなったりと、メガネが助けてくれる場合もあるので、うまく利用しましょう。色や金具も勿論大事です。肌に黄みが強い人はゴールド系、青み・赤みが強い人はシルバー系など、似合うものも変わってくるので、かけ比べてみてください。
サングラスにフォーカスすると、黒のフレームで全く目が見えないほどの黒レンズのものは、多くの日本人にとっては強すぎて難しいかなという印象です。茶やグレーがかったフレームや、少しだけ目元が透けて見えるようなレンズが似合いやすいと思います。また、日本人は、欧米の方に比べて鼻が低く下に行くに連れて広がり、目と目の間に幅もあるので、ブリッジ(鼻の上に乗る部分)が狭く、左右のレンズがあまり離れていないものも相性が良くありません。ある程度の広さのものを選んでください。同じブランドでも、輸入したものとアジア仕様に作られたものがあり、鼻あての部分などが微妙に違いますのでその辺りもショップの方に聞きながらセレクトしてみてください。
かくいう私は、お客様のメガネ選びは得意で、自分自身もメガネが似合う方だと思います。一時期伊達メガネをかけたりしていましたが、今はあまりやっていません。大きいピアスをする事が多い私は、それにメガネが足されると顔まわりがうるさくなってしまうからです。お顔まわりの装飾品は2点まで。どうしてもメガネ・イヤリング・ネックレスと着けたい場合は、ボリュームや色のバランスを考えてコーディネートしてみてください。
(しもとりまきこ (株)SPSO代表パーソナルスタイリスト。著書に『洋服で得する人、損する人』など。バンタンデザイン研究所講師や、企業・学校の制服デザインに加え、身嗜み含めたトータルプロデュースも行う。)
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source : 週刊文春 2022年6月2日号