良かったり、悪かったり……そして悪かったり、悪かったり。巨人の絶対エースとして君臨し、2017年のワールド・ベースボール・クラシックでは日本代表の主戦も務めた菅野智之投手(32)が苦しんでいる。
今季は5年連続8度目の開幕投手となった中日戦で初勝利をマーク。しかし3度目の先発だった4月8日のヤクルト戦で5回持たずに4失点で負け投手になると、そこから連敗。同23日の中日戦で3勝目を挙げたが、次の29日の阪神戦の3回終了後に右肘の違和感を訴え降板し、一軍登録を抹消された。
復帰登板となった5月12日のDeNA戦で白星を挙げ、そこから連勝したが、26日のオリックス戦では、再び不安が顔を覗かせた。6回7安打3失点で今季4敗目を喫して、原辰徳監督も「内容が悪すぎる」と厳しい評価を下したのだ。
菅野のことは東海大学時代から取材している。当時から「投げようと思って投げられなかった球種はない」と語るなど、独特の指先の感覚を持ち、それが抜群の制球力とボールのキレを生む理由だった。
まさに和製マダックスという投手だが、翳りが見え始めたのは2020年のシーズンだった。この年はオフにソフトボールの上野由岐子投手やソフトバンク・千賀滉大投手らを指導するトレーナーの鴻江寿治(こうのえひさお)氏に弟子入り。前年に腰椎分離症を発症、奇跡的に折れた骨はくっついたものの、腰への負担軽減も含めて鴻江氏の指導で腕から始動するフォームに挑戦した。その結果、コロナ禍で短縮シーズンだったが14勝2敗、防御率1.97をマークして最多勝と最高勝率のタイトルを獲得している。
ただ、実はこの年の投球を見ていて、ずっと気になっていたことがあった。確かにボールは強くなった。しかし生命線でもあるスライダーが、抜けるようになっていたのである。
「あれだけ腕が遅れて出て来ればボールが抜けるのは当たり前だし、肘への負担も大きくなる」
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source : 週刊文春 2022年6月9日号