仕事帰りの人々が行き交う夕暮れの駅前。カフェを後にした男女は路地裏へと歩みを進め、そっと手をつないだ。手足が長い細身の男性と、まだあどけなさが残るショートカットの女性。二人は周囲を確認すると、別れを惜しむかのように唇を重ねた――。
昨年の東京五輪で悲願の金メダルを獲得した日本フェンシング界。そのニュースターとして注目を集めているのが、女子サーブルの髙嶋理紗(23)である。今年5月には世界トップ選手が集うグランプリ・イタリア大会で銀メダルに輝いた。
「日本女子サーブルのグランプリ大会でのメダル獲得は史上初の快挙。今年3月と5月のW杯ギリシャ大会、チュニジア大会でも団体の銀メダル獲得に貢献しました」(スポーツ紙記者)
髙嶋は99年福岡生まれ。小学生の頃、スポーツ能力の開発と育成が目的の「福岡県タレント発掘事業」に参加した際、フェンシングの才能を見出された。中学から上京し、JOCエリートアカデミーに入校。高校時代から国際大会に出場してきたが、東京五輪は怪我もあって選考から漏れた。だが、その悔しさをバネに、めきめきと頭角を現す。
「昨年、国内で行われたシニア大会の四大会中、全日本選手権を含む三大会で金メダルを獲得し、現在の国内ランクは1位。コーチ陣からも『髙嶋無くしてパリ五輪メダルは無し』と期待され、日本フェンシング協会会長の武井壮もSNSで『キュートな笑顔に世界レベルの能力を兼ね備えております!! 注目です!!』と絶賛しています」(同前)
そんな髙嶋に、ある男性の影が見え始めたのは、昨年1月頃のこと。
「練習場のナショナルトレーニングセンター周辺を二人で散歩したり、男が髙嶋の家から出てくる姿が目撃されたのです」(現役選手)
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source : 週刊文春 2022年6月16日号