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「斬られる瞬間、僕は……」國村 隼

鎌倉殿の13の㊙︎

「週刊文春」編集部
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 平家方の豪族、大庭景親の首が木に吊るされたのは、3月13日放送の10話だった。実は大庭を演じた俳優・國村隼(66)は過去にも……。

『鎌倉殿の13人』番組HPより

 三谷さんの脚本を読んで面白いと思ったのは、大庭が、ドライな男が多い坂東武者の中では珍しく義理堅い男だということ。源氏が主人公の今作では、アゲインストの側になるでしょう。でも、意外にそういうキャラクターのほうが役者としての表現の自由度も大きいので演じる醍醐味があります。

 撮影中は鎧が相当重かった。10キロ弱くらいだったかな。それでも今は、比較的軽い金属で作っているらしいんですよ。ただ、下に着る独特の衣装が沢山あって、2、30分かかって着付けをして貰って、後は1日中そのままの恰好で撮影ですからちょっと大変なんです。

 坂東武者って皆、幼馴染みたいなもの。争いもガキの喧嘩のままに大人になって殺し合いをしている感じです。その中で、三谷さんが大庭に最後に何を言わすんだろうって楽しみにしていたんですね。そしたら、上総広常役の佐藤浩市さんに向かって「あの時、頼朝を殺しておけばとそう思う時が来るかもしれん。上総介。せいぜい気を付けることだ」と。あぁこれは面白いセリフだと思いました。実際、上総は頼朝に裏切られ、大庭の予言通りになっていく。

 で、オンエアを見てビックリしたのは、僕の首が画面に一瞬大きく映し出されていた。「エッ、こんなのいつ作ったんだろう」と(笑)。ひょっとしたらCGなのかって。

 というのも、昔『キル・ビル』で暴力団の親分役で首を斬られた時は、デスマスクを作ったんですね。松井祐一さんというクリエイターの方が、物凄く細かいところまで作り込んでくれて。撮影の後、松井さんが「廃棄するのは忍びないので、もらってくれませんか」と声を掛けてくれたんです。ただ、「家に自分の生首がポンとあるのもちょっとどうかなと思うので」と、一応、日本の寺でお祓いはしました。“首供養”ですね。その後、松井さんには“首”を戻して預かって頂いています(笑)。

 それこそ、『キル・ビル』の時は「なんや、文句あんのか」という顔で睨み上げた瞬間、まさかのタイミングでポーンと首をはねられた。自分が斬られるとは思っていない表情です。今回の大庭はそういう瞬間では無く、全て覚悟の上として臨んでいる。演じるキャラクター自身が、最期となる相手に何をどんな想いでぶつけている状況か。それを見極めることに尽きると思っています。

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source : 週刊文春 2022年6月16日号

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