忠臣や身内にも迷いなく手にかけていく冷酷無比な源頼朝。だが、演じる大泉洋(49)には一つ悩みが……。
殺陣・武術指導の辻井啓伺氏が明かす。
「大泉さんは弓矢の経験が無かったのですが、『実際に演(や)りたい』と仰って。納得するまで計10時間ほど連射の練習を重ね、めきめき上達。頼朝が弓矢を連射する場面(5話)もCGではなく、『本当の矢を使いましょう』となったんです」
大河で主役級を演じるまでになった大泉だが、その原点は地元のローカル番組にある。96年から6年間レギュラー放送された人気バラエティ『水曜どうでしょう』(北海道テレビ)だ。
チーフディレクターの藤村忠寿氏が言う。
「『どうでしょう』は台本も何も無いし、どの土地に行くのかも分からない“旅番組”。大泉さんの笑いを作るアドリブ力と、とっさの場面の爆発力がハマりました。特に追いつめられた時は、我々に“不信感”を見せる(笑)。凄く微妙な顔つきなんだけど、観ている方はどうしてもクスッとする。鎌倉殿でも北条政子に突っ込まれ、ジタバタする演技は彼の素に近い。だから見ていても白々しくないし、笑えるんです」
東京進出は04年、31歳の時だった。翌05年、『救命病棟24時』(フジ系)で全国ネットの連ドラ初出演を果たし、そこで大泉は“尼将軍”と出会った。フジ局員だった中島久美子プロデューサーだ。09年5月、大泉は中島氏との結婚を発表。この年、推定2億円超の新築タワマンの1室(約120平米)をキャッシュで購入している。
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source : 週刊文春 2022年6月16日号