新庄剛志(北海道日本ハムファイターズ 監督)「昔、ドンキホーテで買ってきた。家でウロチョロしていたら、あったから。これ、やったら勝てるんじゃね!?って」|鷲田康

野球の言葉学 第622回

鷲田 康
エンタメ スポーツ

 日本ハム・新庄剛志監督(50)の薬物問題を、6月10日発売の「文藝春秋7月号」で書いた。

 06年から日本野球機構(NPB)がスタートしたドーピング検査で、陽性反応が出ていたというもので、当時の球団代表だった小嶋武士氏が事実と認める証言をしている。使用した違反薬物はアンフェタミン系興奮剤の「グリーニー」と思われるが、驚いたのはこの報道を受けた日本のスポーツメディアのドーピングに対する意識の低さだった。

疑惑に無言を貫く新庄監督

 メディアの反応は大きく二つに分かれた。一つは報道自体に触れないもの。何せ人気者のビッグボスだ。ヘタに刺激して、今後の取材活動に影響を与えたくないということだろう。

 もう一つは「グリーニーが06年当時は禁止薬物ではなかったので問題ない」という報道だ。文春オンラインで速報が出た翌日の6月9日に、スポーツニッポンのネット版「スポニチアネックス」は、小嶋氏を取材、新庄監督がドーピング検査で陽性となった事実を報じた。しかし問題はスポーツ部野球担当部長の解説だった。

 ここでグリーニーは当時、日本の選手の間でも広まっており「選手がコーヒーに溶かして飲む姿もよく見かけた」とひとくさり。その上で06年当時「(グリーニーは)禁止薬物ではなく、対象になったのは07年から。大リーグから国内に復帰した新庄が06年当時使用していたと言われても、驚く話でもない」としたり顔で“解説”している。

メディアの誤認

 ただ、これは完全な誤報である。NPBでは06年のドーピング検査実施に向けて、2年前から禁止薬物は世界アンチドーピング機構(WADA)のリストに基づくことを告知していた。グリーニーは04年からWADAのリストに載っており、この時点で、明白な禁止薬物だったのだ。

 すぐに知り合いの記者を通じて解説が誤報であることは伝えたが、6月12日時点で記事の取り下げも訂正もされていない。

2カ月99円で
この続きが読めます。

有料会員になると、
全ての記事が読み放題

2024GW 特大キャンペーン 誰でも月額プラン最初の2ヶ月99円 4/24(水)〜5/7(火)10:00
  • 月額プラン

    99円/最初の2カ月

    3カ月目から通常価格2,200円

    期間限定

  • 年額プラン

    22,000円一括払い・1年更新

    1,833円/月

※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。

有料会員になると…

世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!

  • スクープ記事をいち早く読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
  • 解説番組が視聴できる
  • 会員限定ニュースレターが読める
有料会員についてもっと詳しく見る
  • 0

  • 0

  • 0

source : 週刊文春 2022年6月23日号

無料ニュースレター登録はこちら

今すぐ登録する≫

期間限定キャンペーン中!月額プラン2カ月99円

今すぐ登録する≫