週刊文春 電子版

原 辰徳(読売巨人軍 監督)「ウチは選手の役割でやっているからね!」|鷲田康

野球の言葉学 第623回

鷲田 康

連載

エンタメ スポーツ

 中日の大野雄大投手(33)は左打者が苦手な左投手である。

「右には内角に真っすぐを突っ込んでいけるんです。外にもしっかり投げられるから、スライダーやカット、落ち球も生きてくる。ところが左の内には突っ込めてないんですね。だから(配球の)幅が広がらない」

 中日スポーツの名物コラム「龍の背に乗って」を書く渋谷真記者の原稿で、大野本人がこう分析していたのを読んだことがある。

17日の巨人戦は、10奪三振で勝利した中日・大野

 右打者には得意のクロスファイアーの真っ直ぐで内角をえぐれるので、変化球も有効に使って抑えられる。しかし左打者には、右打者ほど内角に投げきれない。それが左打者を苦手にする理由ということだ。

 言葉だけではない。データも大野の左嫌いを証明する。今季の左右別の被打率は右打者の1割5分7厘に対して、左打者には2割8分1厘(数字はいずれも6月21日時点)。1割以上も多く左に打たれているのだ。

 そこで周囲をおやっと思わせた場面があった。6月17日のバンテリンドームで行われた中日対巨人戦だ。この試合は巨人・菅野智之投手と大野の投げ合いで、両軍無得点のままに終盤の八回に突入。先にピンチを招いたのは大野の方だった。

 二死から連打で一、二塁とされる。そこで巨人・原辰徳監督(63)は小林誠司捕手の代打に中田翔内野手を指名。中田が歩いた満塁で、今度は菅野に代えて石川慎吾外野手を打席に送った。左の大野に対して、いずれも定石通りの右の代打だった。しかし石川は2球で追い込まれると、最後は外角の真っ直ぐを空振りして3球3振。表の攻撃を無得点に終わると、その裏に中日に2点を奪われ、巨人は手痛い星を落とした。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

すべての記事が読み放題
月額プランは初月100円

有料会員になると…

世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!

  • スクープ記事をいち早く読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
  • 音声・動画番組が視聴できる
  • 会員限定ニュースレターが読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 週刊文春 2022年6月30日号

文春リークス
閉じる