安倍晋三元首相が銃撃され死亡するという衝撃的な出来事。選挙とは民主主義を支える大事な制度です。その最中に起きた暗殺事件は、日本の民主主義に対する挑戦と言っていいでしょう。

 実は今回は、イギリスのボリス・ジョンソン首相の辞意表明についての解説を書いていたのですが。容疑者の動機がはっきりしないとはいえ、とにかく言論を暴力で封殺することは起きてはならないのです。

 意見の相違があれば、言論で迫る。イギリスの場合、それによって今度の首相の交代へと至ったわけですが、ジョンソン首相の振舞いは褒められたものではありませんでした。

 ジョンソン首相は「保守党の党首の座を辞任する」として、辞意を表明しました。イギリス議会は保守党が多数を占めていますから、解散総選挙でもしない限り、次の保守党の党首が首相に就任します。

 その保守党の党大会は今年の10月に予定されています。ここで新しい党首を選出するまでの間、ジョンソン首相はいまの座に留まるつもりのようですが、党内での信任を失ったのだから、もっと早く辞めるべきだという声が高まっています。首相が辞意を表明したのは、首相に愛想を尽かした閣僚が次々に辞任し、もはや内閣を維持できなくなってしまったからです。

 愛想を尽かされた一番の理由は、新型コロナウイルス対策で2度目のロックダウン中の2020年11月、ジョンソン首相をはじめ首相官邸のメンバーがパーティーを開いて飲酒していた写真が流出したことです。それまでジョンソン首相は、この疑惑を議会で質(ただ)されても、「そんな事実はない」と否定していました。このため、議会を騙したと批判されたのです。

 実はジョンソン首相をめぐっては、2020年の1度目のロックダウン中にも仲間内でパーティーを開いていたことが明らかになっていて、国民の間から「まだあったのか!」と呆れる声が上がっていました。

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source : 週刊文春 2022年7月21日号