円安が続く日本経済と連動するように、朝ドラ『ちむどんどん』も低空飛行から脱けだせないままだ。
問題は数字(視聴率)だけじゃない。唐突で場当たり的な展開に、観る側が呆れ離れていった。
致命的なのは、共感できる登場人物が皆無に近いことだ。料理のプロを目指して沖縄から上京した比嘉暢子(黒島結菜)の頑張りも、勘違いの空振りだらけ。
子どもの頃、東京から沖縄に短い間転校してきた青柳和彦(宮沢氷魚)に、暢子は淡い憧れを抱いた。
その和彦くんに、暢子は東京でバッタリ再会する。あきさみよー。ご都合主義も極まれり。ありえん!
和彦も、いまや大手紙、東洋新聞の気鋭の記者。同僚の大野愛(飯豊まりえ)が恋人だ。トラブル続きの問題児、暢子にも優しく接し、そっと労う愛に、視聴者は好印象を抱いた。
ところが話は急転回。和彦と愛の結婚をいつにするか。和彦はその話を先に延ばす。暢子は二人の結婚話に動揺を隠せない。
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source : 週刊文春 2022年7月28日号