大番狂わせを確定させる試合終了のサイレンが、甲子園球場に鳴り響いた。一刻あって、大阪桐蔭高校野球部の初代監督だった長澤和雄氏(72)のスマホに着信が入る。現任の西谷浩一監督(52)からだ。
「ご苦労さん! 残念やったなあ」
律儀な西谷氏は、これまでも毎試合後、長澤氏に欠かさず電話を寄越していた。長澤氏は、監督時代に西谷氏をコーチとして招聘。関西大学野球部の後輩でもある。長澤氏の第一声に、西谷氏はいつもの落ち着いた口調でこう応えたという。
「やられましたわー」
仙台育英の初優勝で幕を閉じた夏の甲子園。ハイライトの一つは、大本命の大阪桐蔭が準々決勝で下関国際に敗れ去ったことだ。
大阪桐蔭が先行しつつも、追いすがられる展開。突き放す好機だった七回裏の無死一、二塁の場面で、送りバントが小飛球となり、トリプルプレーを喫してしまう。そして1点リードで迎えた九回表、遂に逆転を許すと、4対5で轟沈した。長澤氏が振り返る。
「もともと西谷くんはこうだから勝った、負けたとかは言わない男ではありますが、今回は口数がちょっと少なかったですね。優勝候補のように言われていましたが、下関国際の選手たちは『同じ高校生やないかい!』という気持ちが前面に出ていたように思います」
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source : 週刊文春 2022年9月1日号