今年は、携帯キャリアの通信障害が続いている。個人ユーザーの通信はもちろん、物流、交通機関や天気情報などにも影響が生じることもあり、楽天モバイルを展開する僕らとしては、社会に迷惑をかけないよう改めてインフラサービスを提供する重責を感じている。
一方で楽天モバイルが世界で初めて開発した「完全仮想化ネットワーク」というオープンな仕組みが、通信事業の方向性として正しいという思いも改めて確信した。
一部の銀行が繰り返してきたシステム障害と同様に、携帯キャリアは自身の持つ基地局のハードウェアをベンダーに外注している。だから、ベンダー起因の大きな障害が起きてしまった時、自社だけでは迅速な対応ができない。それが復旧の遅れや複雑さを招くことは想像に難くない。特に中国企業のハードウェアを利用していた場合、極論を言えば、中国政府がサーバーをダウンさせようと思えば、いつでも簡単に出来てしまうわけだから、安全保障上の問題もあるだろう。
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source : 週刊文春 2022年9月15日号