2019年の秋のことだ。僕は、当時楽天市場事業の責任者で、楽天モバイルの基地局設置にも関わり始めていた矢澤俊介(その後、楽天モバイルに完全異動してもらい、現在は社長を務めている)と2人、新橋の喫茶店で顔を突き合わせていた。僕らは楽天モバイルの基地局設置を外注している代理店を視察し、その雰囲気に愕然とした直後だった。
代理店を訪れたのは、この頃、楽天モバイルの基地局の設置が思うように進んでいなかったからだ。遅れは深刻で、総務省からも計画修正を求める指導を受けていた。だが二子玉川の楽天モバイルでいくら危機感を抱いていても、その原因が分からなければ抜本的な対策が打てない。
そんなふうに事業が予定通りに進まない時は、どこかに必ずボトルネックや問題があるもの。だからここはトヨタ流の「現地現物」、実際に現場を見に行こうとなったわけだ。
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source : 週刊文春 2022年9月29日号