新経済連盟の副代表理事を務めているサイバーエージェントの藤田晋社長とは、かれこれ20年以上の付き合いとなるだろうか。
初めて会ったのは、2000年、『日経ベンチャー』が主催する「ベンチャー・オブ・ザ・イヤー」の表彰式だった。未公開企業部門の1位が楽天で、2位に選ばれたのが僕より8歳年下で当時26歳の藤田さん。彼は今でもそうだけれど、僕とは違って好戦的な雰囲気はなく、とても柔らかで温和な人柄の経営者という印象だった。
その時は短い会話を交わした程度だったけれど、それから1年後の2001年、藤田さんとの関係が深くなる出来事があった。
彼自身もインタビューなどで答えているが、当時、サイバーエージェントは買収の危機にあった。まだ20代だった藤田さんにとって、百戦錬磨の年上の経営者との生き馬の目を抜くようなビジネス上の戦いは心をかなり疲弊させたと思う。自著『渋谷ではたらく社長の告白』でも〈世界中で、誰一人として味方はいない〉という気持ちに陥り、自信を失いかけていたと綴っている。
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source : 週刊文春 2022年10月13日号