人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
お好み焼き屋『千房(ちぼう)』に行った時、かつて、実家の応接間にあった『チボー家の人々』のことを思い出した。
それは世界名作全集の中の3巻(上・中・下)として、ガラス戸付きの本棚に仕舞われていたものだ。
昭和の一般家庭に存在した応接間というものは、あくまで初めての訪問客に向けた体裁であり、そこに置かれた大きなステレオや見栄えのいい洋酒瓶などと同様、世界名作全集も飾りものの類いであった。よって、その全集を読む目的で取り出すなんて者はいない。そこがエロ本の隠し場所に適していると思った最大の理由であったのだ。
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source : 週刊文春 2022年10月20日号