「男装女子」に引っかかる……宝塚の男役が舞台を降りたら

テレビ健康診断

青木 るえか
エンタメ 芸能 テレビ・ラジオ

『合コンに行ったら女がいなかった話』は、大学生が誘われて合コンに行ったら、そこにいたのは男装女子。男装バーでバイトしてる大学の同級生だった! どひゃー! 彼らと、男装彼女らはこれから……!?

 というストーリーなんですけど、深夜の30分ドラマ、ということで想像してもらえたらだいたい想像通りです。ドタバタのハチャメチャ。『エルピス』で話題のカンテレ制作ですが、あれもドラマ、これもドラマ。

 私はここに出てくる「男装女子」たち3人にひっかかっている。

 全員元タカラジェンヌ、バリバリの男役。主人公の「蘇芳(すおう)」は現役時代は三番手格ですごい人気だったし、BL同人誌を描いてる(が、見た目はカンペキなダンディ)という設定の「藤」は二番手で退団公演ではサヨナラショーまでやっている(サヨナラショーをやらせてもらえるのはタカラヅカ的にはものすごい地位の高さです)。

©iStock.com

 で、そういう彼女たちが、こういうところに「降りてきた」のでけっこう衝撃を受けている。「い、いいのか?」と、なぜかオロオロしている私。

 世間では「男装バー」とか「男装アイドル」なんてものがすでにある。「男装」と宝塚歌劇の「男役」って、似て非なるものだと思っている。男役は(劇場の大きさという物理的な距離として)遠くから見るもので、そのためにあの舞台化粧と、キザッキザな仕草としゃべり方と発声と補正衣裳と照明で武装して、ステージ上ではぜったい「男役であること」を崩さない。あれが自宅の居間に来たらぎょっとしますよ。男役が女の扮装することはあるけど、それもまた「男役が扮しております」をみんなわかっている(男の女装にしか見えなかったりする)。舞台を降りたら、ビシッとキメてカッコいいとはいえ、あくまでオフの人だ。

 対して「男装」は、バーとかライブハウスとか、至近距離で接するもので、カッコつけるのもネタ含みというか、「接待業」に近いといったらいいか。

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source : 週刊文春 2022年11月24日号

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