週刊文春 電子版

岡田准一の溢れる愛 武術に萌える姿に『萌え』る

テレビ健康診断

てれびのスキマ

連載

エンタメ 芸能 スポーツ テレビ・ラジオ

「完全版は貴重映像多数につき地上波1回限定のみ」

 ジャニーズ事務所を退社した滝沢秀明がTwitterを開設し、その肩書が「冒険家」であることが大きな話題を集めた。そこに添えられたプロフィール写真が火山口であるように、実際に彼は趣味の域を超え『クレイジージャーニー』(TBS)で危険な火口内部に潜入した火山冒険家でもある。草彅剛も日本有数のジーンズマニアだったりするからジャニーズアイドルは、マニアックにひとつのことを探究しがちといえるかもしれない。

 岡田准一もそのひとりだ。彼はいまや日本を代表するアクション俳優。ジークンドーや修斗を筆頭に柔術、カリなど様々な格闘技を学び「武術翻訳家」を名乗っている。そんな彼が、ケンドーコバヤシとともにMCを務める番組が『明鏡止水 ~武のKAMIWAZA~』(NHK)だ。『レギュラー番組への道』の枠で不定期に制作され、11月も2回放送された。第1週(三の段)は「柔術」、第2週(四の段)は「少林拳」をテーマに、スタジオに武術の各流派の“達人”たちを招いてその「神業」の真髄をマニアックに紐解いていく。

第42回日本アカデミー賞授賞式にて ©文藝春秋

 ここで岡田は「喋りたいことあるんでしょうけど、番組の構成を考えてください!」とケンコバに制されるほど饒舌が止まらない。専門家も驚く知識をベースに「翻訳家」らしくできるだけわかりやすい言葉で解説。その一方で、達人の身体を「触ってもいいですか?」と喜々として触りに行き、「めっちゃ肚(はら)できてる!」と興奮しつつ「金剛力士像の肚は日本独自の『肚を作る文化』のあらわれで、だから『腹を割って話す』とか『切腹』につながる」と文化史の面からの解説も忘れない。子供のような好奇心と洗練された知性が同居している様は、さながら“「武」のタモリ”といったところか。

 1週目の「柔術」にはゲストに柔道・金メダリストの松本薫も。大東流合気柔術が「掴まない」ことが真髄なのに対し、柔道はいかに「掴む」か。ということで松本と柔術の心得がある岡田が組み手争いを実践することに。するとすぐに「あ! 動ける人だ! マジか!」と松本が声をあげ「強い!」と楽しそうに言いながら、明らかに闘争本能のスイッチが入っていくのが面白い。柔道のスゴさは一般的にも既に伝わっている。そのトップ選手が柔術の技術に接して驚いているから、そのスゴさがわかりやすく伝わってくる。

 ゲストのトリンドル玲奈はまったくついていけず、終始ポカーンとしていたが、きっと視聴者の見方もそれでいいのだろう。わからなくたって面白い。静かに情熱を燃やしながら、ここが「萌え」だと武術を喜々として語る岡田准一の姿こそに萌えながら、少しでもわかりたいとその奥深い世界を覗きたくなるのだ。

『明鏡止水 〜武のKAMIWAZA〜』
NHK総合 不定期番組
https://www.nhk.jp/p/ts/M31M355Q4M/

初月300円でこの続きが読めます。

有料会員になると、
全ての記事が読み放題

有料会員になると…

世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!

  • スクープ記事をいち早く読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
  • 音声・動画番組が視聴できる
  • 会員限定ニュースレターが読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 週刊文春 2022年12月1日号

文春リークス
閉じる