ゲーム業界を舞台に、個性的で才能あふれるクリエイターが、大手IT企業の理不尽な妨害に怯むことなく闘う青春ドラマが『アトムの童(こ)』だ。

 天才的なゲーム・クリエイターなのに、熱血漢で呆れるほどのお人好し、安積那由他(あづみなゆた/山﨑賢人)が主人公だ。金儲けや世俗的な成功、名声に興味はなく、頭の中は誰もが驚く新ゲーム開発のことだけ。

 その那由他と学生時代にジョン・ドゥというチームを組み、尖鋭的なゲームを次つぎ世に出したのが菅生隼人(すごうはやと/松下洸平)。カルト的な人気を博したが、彼らは素姓を隠し、メディアに露出せず“ゲーム業界のバンクシー”と呼ばれた。

 直情型の那由他を演じる山﨑賢人と、シニカルな隼人役の松下洸平のコンビがいい味だしてるんだよ。そして一時は絶縁状態だった二人の仲をとりもつのが富永海(うみ/岸井ゆきの)だ。

 ドラマのタイトルになっている、小さな町工場だが伝説的なメーカー、アトム玩具の社長の娘だ。

 三人とも、いい奴でね。海の父親役の風間杜夫や社員の塚地武雅、でんでんも揃って善人。でも、これじゃドラマは動かない。

 冷酷、非情。金と権力のためなら手段は選ばない。そんなIT大手「SAGAS」の社長、興津晃彦をオダギリジョーが演じる。

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source : 週刊文春 2022年12月8日号