(相澤冬樹 大阪日日新聞記者)
5月5日午前2時。赤木雅子さん(50)はふとベッドで目が覚めた。何げなく枕もとのスマホを手にすると突然LINEが届いた。朝日新聞の方だ。こんな夜中に何だろう?「きょうの朝刊に赤木ファイルに関する記事が出ます」……詳しくは書いてないけど直感した。これはいい知らせだ。
夜明けの朝刊。一面トップに〈赤木ファイル 存在認める〉の見出し。「あるともないとも言わない」と突っぱね続けてきた財務省が、とうとう認めたんだ……。
◇
「赤木ファイル」という言葉が、ここ最近、急に世の中に広まった。なぜ注目されるのか? 赤木雅子さんの夫、赤木俊夫さん(享年54)は、財務省近畿財務局の職員だった。森友学園との国有地取引を巡る公文書の改ざんを上司にさせられ、それを苦に3年前、命を絶った。
俊夫さんは職場でさせられた改ざんについて、実態を示す資料を残していた。誰からどんな指示があり、どの部分をどのように改ざんしたのか一目でわかる詳細なファイル。俊夫さんはそのことを雅子さんに打ち明け、俊夫さんの上司だった池田靖さんも存在を明かしていた。その時の音声データがあるから、当たり前の事実なのだ。
真相解明をめざし国などを相手に裁判を起こした雅子さんにとって、夫を苦しめた改ざんの実態を示すまたとない証拠となる。弁護団はこれを「赤木ファイル」と名付け、裁判に提出するよう財務省に求めた。
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source : 週刊文春 2021年5月20日号