「子どものころから憧れを抱いていたので、今回獲得できたことはすごく感慨深いです。名人という名前にふさわしい将棋ができるよう、今後一層頑張りたい」
6月1日、名人戦第5局で渡辺明九段を下し、新たに名人位を奪取した藤井聡太新名人は、謙虚に感慨を口にした。長い歴史を持つ名人位だが、20歳10カ月での獲得は史上最年少記録だ。快挙には、自身の名前に一つだけ音が足りない旅館「藤井荘」(長野県)で達成されるというおまけも付いた。これで前人未到の八冠独占まで、残るは王座一つ。名前もタイトルも完全まであと一つという、王手ずくめの対局となった。
見るものを魅了する藤井新名人の将棋だが、その片鱗はプロになる前から示されていた。
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
source : 週刊文春 2023年6月15日号