医師・看護師らの大量退職が続き、毎月2億円を超す赤字が出ている東京女子医科大学病院。名門病院の凋落を招いたとされるのが“女帝”理事長・岩本絹子氏(75)の経営方針だ。彼女の公私混同と、元宝塚スター親族企業も関係していた、3つの「疑惑のカネ」について全貌を明らかにする。(全3回の3回目。1回目を読む)
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【疑惑のカネ3】一級建築士に給与と謝礼の「二重払い」
女子医大は、経営が厳しいとして人件費を抑える一方、新病院の移転や病棟の建替えを次々と進めている。そこには数百億円規模の資金が動く。
“第三の疑惑”は、大型建築に絡んだ嘱託職員への給与と多額の謝礼の「二重払い」だ。
2016年4月から、女子医大は一級建築士・C氏を非常勤嘱託職員として雇用した。同年3月、都内の大手設計事務所を定年退職した人物である。
C氏の給与は、週2日程度の出勤で月額32万円だったが、その後は月額60万円前後で推移している。ただし、給与とは別にC氏個人に、18年7月から22年2月まで「建築アドバイザー報酬」が支払われていた。総額は2.5億円で、一級建築士とはいえ、個人の報酬額としては破格だ。
稟議書によると、莫大な報酬の名目は、移転した新病院や建替えた病棟に関する、基本構想や値引き交渉、施工管理など。岩本理事長(当時:副理事長)が承認した押印もある。ところが、「これが内部で問題になった」と元職員が明かす。
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source : 週刊文春