序章 宣戦布告
何が「人を傷つけない笑い」だ。
萎縮してる芸人見てると、マジで息が詰まる。芸人に正論語らせてどうする。何が「深い」だ。浅いよ。その前に面白くないよ。今、テレビでもっともらしいこと言ってるそいつ、本当はもっと面白いからな。
一回「傷ついた」って言うの、やめろ。本人と直接話もせず、ノーモーションで不平不満を公表して見ず知らずの連中と徒党を組むの、やめろ。それ、永遠に残るからな。
「味方です!」ってDM送ってきた奴は、半年もしたら書いたこと忘れてるからな。
「この人、悪い人です! 僕、傷ついたんです!」って、街中でいきなり叫んだ奴がいるとしろや。そんなあやふやな状況でだ、脊髄反射で「味方です!」って言う奴、よく信用できるな。そいつ、さっきまで見ず知らずの人に「このクズが!」ってツバ吐いてた奴だぜ。
被害者になって気持ちよくなってんじゃねぇよ。何だ、おまえら界隈の不気味な優しさは。傷の舐め合いで恨みを膨らませて安っぽく高揚していやがる。で、反対向きゃ考え得る限り最悪の謗(そし)りを人に投げつけて、「辱めること」ただそれだけに勤しむプロの加害者がいる。普段は世の中の端の方に追いやられてる極端に潔癖で、極端に下品な奴らがどういうわけか、ネットの世界では大手を振って花道を歩いてる。
なぁ、訳分かってないのに口挟むなよ。ちょっと検索したぐらいで裁判官気分のおまえらに、世の中が見えてるわけねぇだろ。
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source : 週刊文春 2023年6月22日号