女優ムダ遣いの「夏ドラマ」 石原さとみ、綾瀬はるか、吉岡里帆……

「週刊文春」編集部
エンタメ 芸能 テレビ・ラジオ

 絶対35度の記録的猛暑。もう家でドラマでも見るしかないとチャンネルを回すと……仲間由紀恵化する綾瀬はるか、期待外れを裏切らない野島伸司脚本、そして困った時のサヴァン症候群。嗚呼、この世界の片隅で、せめて文化的で最低限度を超えるドラマを観たい!

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 暑い。もう何も考えられないほど暑い。この状況に付け込んだようなつくりの夏ドラマが次々と始まっている。ラインナップを見て行こう。

 まずは月9「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~(フジテレビ系・月曜21時)」。シーズン1、2と、上戸彩が主演を務めた人気作だが、7年ぶり復活のシーズン3の主役は沢村一樹。上戸が主演しなかった経緯は既にいろいろ報道されているが、「鍵を握る失踪中の人物」という思わせぶりな扱いで、毎回ちょこちょこ義務出演。裏に危険な匂いを秘めながら、飄々としている主人公を演じる沢村は、こういう役やらせたら右に出る者なしのイキイキした好演っぷりではあるのだが。前シリーズと誰一人カブっていない出演陣、設定も、シーズン1の「未解決事件」、2の「潜入捜査」から、「コンピュータシステムが割り出した未来の犯罪を捜査する」という現実味ゼロの話に変わり、もはや「絶対別物」の佇まい。しかし、シリーズ成功のキモであった、「テレ朝刑事モノ風」なつくりだけは、しっかり踏襲されている。

 登場人物たちのキャラクター配置のベクトル。事件に集中しやすい無名俳優多めの配役。多少のご都合主義はあるものの、視聴者を飽きさせず、サクサク進む進行。感情移入しやすい動機に、必ず盛り込まれる意外な秘密とドンデン返し。テレ朝が長年かけて築き上げた、秘伝の刑事モノの成功レシピの旨味をまるごといただきます。シリーズ1、2、3通して貫かれていたのは、このごっつぁん体質だけなのであった。

 どんなに内容別物でも、「これは『絶対零度』シリーズです」と言い張ることで得られる宣伝効果を含め、なりふり構ってられないフジテレビ月9の今シーズンのスローガンは「人の褌を借りて相撲を取る」。もちろん使用料は未払いだ。

 だがテレビ朝日の方もまた、人の褌で勝負していたのだった。「ハゲタカ(テレビ朝日系・木曜21時)」。バブル崩壊後の90年代を舞台に、次々と有名企業や大銀行を買収していく外資系ファンド代表の姿を描く。

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source : 週刊文春 2018年8月2日号

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