天高く馬肥ゆる秋がやってきた。さまざまな味覚が旬を迎えるが、中でも野菜は、今が1年でもっとも種類が豊富で、栄養価の高い季節になる。

　野菜は健康長寿と深い関係がある。WHOが発表した2023年版の世界保健統計によると、世界で健康寿命が最も長い国は日本で、74.1歳だった。

「大きな要因は、日本で食べられる食材の多様性です。中でも多くの種類の野菜と果物を食べているということが重要です」

　こう語るのは、名古屋学芸大学健康・栄養研究所所長で、老年病専門医の下方（しもかた）浩史教授だ。

「日本人の食事は、塩分が多い等の多少の課題はあるものの、世界一の健康食と言えます。特に秋に旬を迎える野菜は、栄養をため込んでいるので、体に良い要素が一段と高くなります」

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