イスラム系武装組織ハマスが、イスラエルを攻撃してからひと月近くが経った。

 

 そもそもイスラエルは、なぜハマスに容易く襲撃されてしまったのか。インテリジェンス研究が専門で『モサド――暗躍と抗争の70年史』(早川書房)などの著作のある国際政治学者の小谷(こたに)賢氏が、世界最強と謳われた情報機関の失敗の理由を読み解く。

 イスラエルは、自らの失敗を覆い隠すかのように、ハマスが支配するガザ地区への攻撃を続けています。民間人の犠牲もいとわないこの攻撃に世界中から厳しい目が向けられている。

 10月7日、予防的措置を取ることすらできず一方的にハマスの大規模攻撃を許したのはなぜなのか。

イスラエルを襲撃した直後

 モサドは、イスラエルの官邸直属の情報機関で、6000〜7000人ほどの局員を擁するとされます。諜報(スパイ)能力は世界トップレベル。全世界に張り巡らされたユダヤ人ネットワークを活かして、主に国外でのスパイ活動を担っています。

 イスラエルには、軍に属する情報機関「アマン」、国内の治安維持やテロの情報収集を担う首相府直轄の「シンベト(シャバク)」という情報機関もありますが、モサドは別格です。

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source : 週刊文春 2023年11月9日号