歴史学者で東京大学名誉教授の山内昌之氏(76)は、日本における中東・イスラム地域と国際関係史研究の第一人者だ。『民族と国家』(文春学藝ライブラリー)や『中東国際関係史研究』(岩波書店)などの著書も多数ある。そんな山内氏は、イスラエル・ハマス戦争をどう見ているのか。
イスラエル軍が、イスラム過激派組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザへの本格的な地上作戦に踏み切る可能性が高まっています。
私はイスラエルによるガザへの地上侵攻はすべきではないと考えます。
ハマスの攻撃に対するイスラエル市民の怒りや悲しみは当然わかります。しかし、彼らにとって“あまりに高くつく作戦”になる自衛権の特性も合理的に理解せねばなりません。
ガザ侵攻をすべきではない理由は「人道的観点」と「戦略的観点」の2つから説明ができます。
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source : 週刊文春 2023年11月2日号