90年代のTVドラマ『フレンズ』は、ニューヨークを舞台に「大人になれない」女3人と男3人の友情と恋愛を描くコメディ。ファッション業界で働くレイチェル(ジェニファー・アニストン)は、お金持ちのお嬢さんでわがまま。ロス(デヴィッド・シュワイマー)は古生物学の博士号を持つインテリだが面倒くさい性格で結婚離婚を繰り返す。

 その妹モニカ(コートニー・コックス)はシェフ。神経質で負けず嫌い。フィービー(リサ・クードロウ)はヘンテコなフォークソングを歌うスピリチュアルで遅れてきたヒッピー。ジョーイ(マット・ルブランク)はナンパでチャラい売れない俳優。そしてチャンドラー(マシュー・ペリー)は皮肉屋。いつも誰かを茶化さずにいられない。

「僕が朝の9時までに言う皮肉の数は普通の人の1日平均の皮肉数を超えてるんだ」

 そんな『フレンズ』は日本の80年代トレンディ・ドラマにも似た惚れた腫れたのドタバタで大人気となり、2004年まで10年も続いた。当初、主演俳優のギャラは1話30分で30万ドルほどだったが、それは最終的に1話100万ドルを超えた。テレビが娯楽の王様だった時代の景気のいい話だ。

『フレンズ』の放送が終わってから20年目の2023年10月、チャンドラーことマシュー・ペリーが自宅で遺体で発見された。警察は「浴槽で溺死」と発表した。54歳。独り暮らしだった。

 ファンは驚かなかっただろう。マシュー・ペリーは『フレンズ』放送中からずっと、アルコール依存症に苦しみ、病と闘い続けていた。

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source : 週刊文春 2023年11月23日号