前回は日中戦争のはじまりをお話ししました。世界に目を向けると、日本はナチス・ドイツとのかかわりから太平洋戦争へ進んでいく様子が見えてきます。今回はそのナチス・ドイツについて説明しましょう。
第一次世界大戦後のドイツは民主的なワイマール憲法に基づいた国民主権国家でした。しかし敗戦国として連合国(英仏など)から課せられた総額1320億金マルク、日本円で数百兆円もの賠償金がドイツ経済を圧迫しました(のちに30億金マルクまで減額)。
さらに世界恐慌で失業者が急増し社会不安が高まります。ここにナチス(国民社会主義ドイツ労働者党)と共産党が支持を集めることになります。
ナチスはナショナリズムと社会主義、反ユダヤ、反共産主義を掲げていました。1932年7月に行われた選挙で第一党に躍り出ます。33年1月30日にはヒンデンブルク大統領がヒトラー党首を首相に指名しました。
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source : 週刊文春 2023年12月7日号