社会人になってから友達を作るのってなかなかに難しい。人見知りがゆえに、仕事をきっかけに出会う人とは仲良くなるまでにものすごい時間と労力がかかるタイプ。学生時代の友人たちとは仲が良くとも、生活スタイルや住む場所の違いからふらりと「今日飲み行かない?」と声をかけることはもうできない。会うなら1か月ほど前から予定を決めて、店も予約して……。でも、今日! 今日美味しいごはんを誰かと一緒に味わいたいんだよ! そんな気持ちになることが月に1、2回ある。だから『ただの飯(メ)フレです』で描かれる“飯フレ”はまさに私の理想だ。いいなあ、想像力を持つ者同士の間で慎重に丁寧に育まれた関係性。読んでいるとまるでお出汁の利いたアツアツのおでんを食べているみたいにホッと心が温まるのを感じた。
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source : 週刊文春 2024年2月1日号