私の一番古い記憶は、祖母の家でのワンシーンだ。古い日本家屋の急な階段を上っている最中に足を滑らせてしまい、背中から下に落ちている最中、先に階段を上り切った妹が目を真ん丸にして私を見つめていて、そのぽかんとしたアホ面がやけに印象的でいまだに覚えている。痛かったであろうその着地も、親からの叱責も、そのほかのことは何も覚えていないというのに。私の人生にはずっと妹がいた。『かみちゃんがいればマル』の涼子の一番古い記憶にかみちゃんがいたように。
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source : 週刊文春 2026年6月11日号






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