何の因果か、私は今演じることを仕事にしている。幼い頃どころか、働き始めた時すら考えもしなかった場所に立つ自分に、何年経っても慣れることはない。才能があると思えたこともない。それでも、自分ではない誰かになれるのが嬉しくて、自分ではない誰かの中に自分を見つけるのが楽しくて、ここまで続けてきた。『ゲキドウ』で描かれているのは、まさにそんな演技のもつ自分自身と否応なしに向き合わされる力と、己の負けすらも肯定しメッセージへと昇華する舞台の魔力だ。
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source : 週刊文春 2026年5月28日号






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