マンガに助けられて生きてきた。どんなに辛い時だって、あのキャラクターならこうするだろうと思って踏ん張ることができた。自分は独りぼっちじゃないと、世の中捨てたもんじゃないと、信じることができた。『来見沢善彦の愚行』には、そんなマンガに救われてきた者の矜持みたいなものがそこここにちりばめられている。たとえ、とある漫画家の狂気と罪が出発点にあったとしても。

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source : 週刊文春 2026年6月25日号