【前回までのあらすじ】奏は大分県別府市で、瀬尾の高校時代の同級生・片桐に話を聞く。一九八一年、東京の大学に通う二人が行った美月の「お披露目公演」。そこでステージに水風船が投げ付けられ、瀬尾が慌ててタオルを投げ込み、美月が涙を拭いて笑顔で応えるという一幕があった。――時は流れて二〇〇二年、美月は別府市内で一夜限りのコンサートを開いていた。
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source : 週刊文春 2024年3月21日号