連続テレビ小説『ブギウギ』が最終回を迎えた。
特別、朝ドラ好きじゃないのに、なぜ一度も欠かさず観つづけたのだろう。主人公の福来スズ子を演じた趣里に惹かれたんだな。
配役を知り驚いた。違和感さえ覚えた。私の知ってる笠置シヅ子は、中学生のころ観たドラマ『台風家族』とか、とにかく陽気でかしましい浪花のオバちゃんだったから。趣里の一種独得な個性にそぐわないと思ったのだ。
ところが趣里ちゃん、陽気で負けず嫌い、さらに愛嬌たっぷりな主人公を演じ関西弁も耳に心地良い。

出自の秘密も抱えているが、養父母には優しく育てられ、弟の六郎のことも可愛がり、花咲は落ちたが梅丸楽劇部の養成所に入所すると、持ち前の才能でめきめき頭角を現す。
ここまでの人情噺的な展開も楽しいが、傑出したモダンなセンスの作・編曲家、羽鳥善一(草彅剛)と出会い、福来スズ子は水を得た魚のように躍動する。
昭和の初めから、やがて日中戦争がドロ沼化し、さらにアメリカと開戦するその寸前まで、多くの日本人が“敵性音楽”のジャズやタップ、レビューに熱狂していたとは。みんなアメリカの映画やダンス、ジャズが好きだったのだ。
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source : 週刊文春 2024年4月11日号