すごいよ、ドラマ『新宿野戦病院』。ぼっけえ、おもしれえ。脚本、クドカンさんだから、もんげえ笑えるの当たり前だけどな。

 本誌エッセイで、宮藤さん、「感想を欲しています」と記してた。正直だね。俳優、物書き、演奏者。それと美容整形した人とか、みんな「感想」欲してる。

 感想はさ、丁寧さよりもむしろスピードが大事かもと書いてもいたな。三人の輪番制なので遅れたけど、速攻の感想です。

 東洋一の歓楽街、歌舞伎町の隅にある「聖まごころ病院」に、顔も声も動きも、やたらエネルギッシュな女性が登場する。アメリカ軍の軍医経験が十年以上あるヨウコ・ニシ・フリーマン(小池栄子)。ポジティヴかつ合理的で、手術は雑だが、手際がいいから、並の医者なら手足切断の患者でも、切らずにすむ。

小池栄子 ©文藝春秋

 小池栄子、ぴったり。コロナのころ、小池都知事はやたら“夜の街”の危険を煽っとったけど、ま、ある種“戦場”の街で決断早く腹を開けて内臓とりだすタフな女医をやらせたら絵になるの。

 同僚になった美容皮膚科の高峰享(仲野太賀)は彼女と違って、金と港区女子との飲みしか興味ない。

 演出の河毛俊作氏からタイトルを示された宮藤氏は、最近は見ない言葉だけど、何か力を感じる的なこと書いてた気がする。

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source : 週刊文春 2024年8月1日号