その碩学が兵庫県民にとってどんな存在だったかは、県民でなければ理解できないだろう。阪神・淡路大震災で教え子を喪った経験などから震災復興に力を尽くし、有識者として歴代首相からも厚い信頼を得ていた政治学者・五百籏頭眞氏(享年80)を「偲ぶ会」が神戸市内で開かれたのは7月27日のことだった。
所在なげに式典を終えた人物は、報道陣に囲まれると「私自身への指導に感謝している」と追悼の言葉を述べたが、ある質問をぶつけられると、同じ言葉を何度も繰り返した。
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source : 週刊文春 2024年8月8日号