「お兄ちゃん」
「ここ、ちょっと怖い」
郊外にある中古の戸建てに越してきた神木家。父と母、高校生の長女、中学生の長男、小学生の次男、祖父と祖母。建物はすこし傷んでいたけれど、それでも一つ屋根の下、家族の笑顔に溢れる新生活が始まる。
……はずだった。
今夏、映画館で大いに涼み、感動もしたいのならこの映画だ。8月23日全国公開の『サユリ』。監督を務めるのは白石晃士、原作は押切蓮介の同名マンガ。「異才」「鬼才」と称され、ジャンルの枠に収まらないそれでいて心底ドキリとさせられる作品を発表してきた2人だ。この度は白石監督にインタビューを敢行。「一読したとき、映像化するなら自分しかないと思った」という本作について、監督のフィルモグラフィーを重ねながら話を聞いた。
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source : 週刊文春 2024年8月15日・22日号