阪神が日本一に輝いた昨年の日本シリーズで、最も印象に残っているのは第4戦の8回2死一、三塁でマウンドに湯浅京己投手(25)が立った場面だ。
この年の湯浅はクローザーの期待もかかっていたが、開幕から調子が上がらず右前腕筋挫傷でファーム落ち。その後も左脇腹筋挫傷とケガに苦しみ、これが実に4カ月ぶりの一軍マウンドだった。だからこそ名前がコールされると、甲子園球場のボルテージが一気に沸騰してムードが一変。期待に応えて湯浅も初球の真っ直ぐで、中川圭太内野手を二飛に打ち取りピンチを脱出した。この「湯浅の一球」で勢いを得た阪神はサヨナラ勝ちして、オリックスに傾きかけたシリーズの流れを引き戻したのである。
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source : 週刊文春 2024年9月12日号