打つ、走る、吼える。数々の名場面をフレームに収めてきたのが、スポーツ写真家の田口有史(ゆきひと)氏だ。今号の小誌グラビアを彩った田口氏は、あの歴史的瞬間を「実は油断していました」と語る。一体なぜ?

 MLBを撮り続けて20年以上になる田口氏。今季、節目の試合には球場に赴き、多くの時間を大谷への“密着”に割いている。

 ドジャースのダグアウト横にあるカメラマン席が、田口氏の主戦場だ。7月の五輪前はスポーツ紙と通信社の4社ほどしかいなかった取材エリアは、偉業達成が近づくにつれ、現地メディアや日本からやってきた一般紙のカメラマンでごった返すようになった。撮影ポジションも争奪戦だ。

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source : 週刊文春 2024年10月3日号