【前回までのあらすじ】札幌の大学に通うマチは恋人の浩太の家で狩猟雑誌を見つけ、狩猟の世界に惹きつけられる。大学近くの銃砲店を訪れたマチは、店主の堀井から、猟友会会長の新田を紹介される。彼は父の会社の取引先である新田工作所の社長だった。新田に、ハンターの情報交換の場になっている事務所に遊びに来るよう誘われ、父と一緒に行ってみることに。

 

 新田は部屋の隅にあるポットで人数分のインスタントコーヒーを淹れると、一口飲んで「さて」と切り出した。

「とりあえず、何から聞きたい?」

 マチの背後にいる父・義嗣ではなく、マチの方を見てにこりと微笑む。マチはすぐに持参してきたメモ帳とペンを手にとった。

「手続きや免許取得までがまず大変と聞くので、その辺りの流れや、具体的に何が大変なのか教えて頂けますか」

 うん、と新田は頷く。熊野は腕を組んでうんうんと頷いた。よほど大変だったのだろう、とマチにも察しがつく。

「鉄砲関連の手続きっていっても色々あるんだけど、とりあえず、俺らがやってる猟友会の立場から、ベーシックな鹿撃ちや害獣駆除やってる猟師になるための免許とかから説明しておこうか」

初回登録は初月300円で
この続きが読めます。

有料会員になると、
全ての記事が読み放題
コメント機能も使えます

  • 月額プラン

    1カ月更新

    2,200円/月

    初回登録は初月300円

  • 年額プラン

    22,000円一括払い・1年更新

    1,833円/月

※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。

有料会員になると…

世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!

  • スクープ記事をいち早く読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
  • 解説番組が視聴できる
  • 会員限定ニュースレターが読める
有料会員についてもっと詳しく見る
  • 0

  • 0

  • 0

source : 週刊文春 2024年10月31日号