夏日が十月半ばまで続いている。でもね、水曜の深夜だけは、爽快な気分に浸ることができる。
殺し屋女子二人の超絶アクションに酔いしれ、しばし余韻も楽しむ。『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』、凄いドラマです。
杉本ちさと(髙石あかり)と深川まひろ(伊澤彩織)の繰りだすキレッキレなガールズアクションの格好良さったらないの。
殺し屋協会に属する拳銃とナイフのエキスパートだから、反社十人が相手でも返り討ちに。そんな最強の殺し屋なのに、二人はまったり日常を過す。ちさとは人当たりいいが、相手の話なんて聞いてない。まひろに至っては知らない人と会話もできない。二人とも社会に馴染めない。それも脱力系ね。ポワーン。
脱力系なのに戦闘開始となるや一変、屈強な男の殺し屋を相手に、繰りだす格闘術は速度と殺傷力で敵を上回る。「ちさまひ」の身体の動きの美しさといったら。私は神取忍のギリシャ彫刻のような肉体から繰りだされる技を想起した。
映画マニアから馬鹿にされるだろうが、私はこのガールズアクション作品、この秋まで知らなかった。三年前に単館系、自主映画とも呼ばれる低予算で公開されるや大好評を博し、昨年に第二弾を製作。この秋には、映画第三弾『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』が公開、テレ東で略称『ベビエブ』も始まった。
映画が先で、その内容と人気に押されてドラマ化。かなり珍しい例だ。
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source : 週刊文春 2024年10月31日号