「子どもが生活できるようになるためにはどうしたらいいか、課題を見つけて細かく指導していただいていたんです。親としてもとても心強かった。それが年度途中で突然、理由もなく『終了』と言われ、これからどうしたらいいのか」(武蔵野東教育センターに子どもを通わせる保護者の1人)

 武蔵野東学園でまた、困惑の声が上がっている。同学園は教育家の北原キヨ氏が1964年、東京都武蔵野市に創設。2つの幼稚園と小中学校、高等専修学校を運営する学校法人だ。自閉症児と健常児が共に学ぶ“混合教育”が全国的にも知られてきた。

武蔵野東学園(HPより)

 だが昨年、この学園の理事に「ハズキルーペ」で知られるHazuki Companyの松村謙三会長が就き、今年3月には理事長に昇格して以降、学園は変質している。

「週刊文春」はこれまで松村氏による生徒や保護者への暴言松村氏が生徒から刑事告訴された事実などを報道してきた。

騒動の舞台は「武蔵野東教育センター」

 そして今回も持ち上がった騒動は、学園本部の北原記念館3階にある「武蔵野東教育センター」を舞台に起きたのだった。

 同センターは、主に学園外の自閉症や発達障害などを持つ2歳から高校生までの子どもが通所する療育・研究施設。「療育」とは障害のある子どもの状態や障害特性に応じて発達を促し、将来、社会参加や自立した生活ができるよう支援すること。

武蔵野東教育センターが入る北原記念館

 同センターでは、8人程度の小集団で学習、体育、音楽などの指導を受けながら社会性も身につける「スクールプログラム」や、2人1組で勉強を習う「ラーニングプログラム」、長期休み中の短期集中型プログラムなどを設けている。火曜日から土曜日まで教室が開かれ、週に500人近い数の子どもが入れ替わり受講している。

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