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「こんなことをしていたら日本が世界で勝ち抜くのはキツイ」森保監督の続投発表に城彰二が抱いた“違和感”

2023/01/04
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――コーチングスタッフも未定ですね。

 カタールW杯で東京五輪世代がチームにうまく融合できたのは、その世代を最初から見ていた横内(昭展)さんの存在が非常に大きかったと思うんです。もちろん、森保さんが東京五輪の本番でチームを指揮したことも今回のチーム作りにプラスに働いたと思います。でも、次の4年間は基本的にA代表だけ。カテゴリー別代表との連携は、どうするのか。

 森保さんが、どういうサッカーを目指すのかも具体的に言及されていないので、どんなコーチが必要なのか。監督をサポートするコーチ陣も決められない。そこが次のチーム作りの肝かなと思うんですけど、何も決まっていないなか、慌てて続投会見する必要があったのかなと思いますね。

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――コーチには、元日本代表選手の名前も挙がっています。

 森保さんと合う、合わないがあるだろうし、傍に置いておきたいとか、それは監督主体で決められること。でも、やっぱり攻撃面とか足りない部分を補えるコーチ、それは外国人でもいいと思いますが、そういうエッセンスを入れていかないと今のままじゃ何も変わらない。

カタールW杯を戦った横内昭展コーチ(左から2番目)は退任する ©JMPA

次のW杯に向けて日本代表チームの中心になるのは?

――チームは川島永嗣をはじめ、長友佑都、吉田麻也らベテラン勢が抜けていきますが、新たなチームの中心になっていくのは、誰になりますか。

 カタールW杯でそうだったように、このチームの軸はボランチ。遠藤(航)と守田(英正)が中心になっていくと思いますね。サッカーのチーム作りは縦のラインが重要なので、センターバックの冨安(健洋)も軸になる。

 あとはGKがシュミット・ダニエルなのか、谷(晃生)になるのか。谷にするならカタールに連れていってほしかったですけど。前線の中心は鎌田(大地)になるのかな。そこは森保さん次第ですね。

――森保監督次第というのは。

 次のW杯に向けてチームを作るうえで、森保さんのコンセプトが見えないんです。カタールW杯の時は、点を取るストライカーよりも前線からプレスに行ける、守備ができるストライカーということで前田(大然)や浅野(拓磨)を選択したわけじゃないですか。

 攻撃をどういうスタイルにするのか。そのコンセプトが見えないと、どういうストライカーが必要なのか分からないんです。だから、そのコンセプトを早く明確にしてほしいですね。

鎌田大地は次のW杯でも攻撃陣の中心となるか ©JMPA

――前線で鎌田の名前が出ましたが、他に前線では誰が中心になっていくのでしょうか。

 三笘(薫)は、カタールW杯ですごくいい働きをしたけど、4年後も今の調子を維持できるかは分からない。攻撃の選手は、中盤やディフェンスの選手と違って、毎年活躍をして、それを維持するのがすごく難しいんですよ。

 鎌田はうまいし、クラブでは活躍しているけど、代表でパッとしないのは、彼の良さが活かされていないから。鎌田はすべて自分でできる感じではなく、周囲が活かしてくれることで決定的なチャンスを作ったり、得点力を発揮するタイプ。

 鎌田のような個性を活かすためにも、コンセプトを決め、誰を軸にチーム作りをしていくのかを明確にしたほうがいいと思います。ある程度、中心メンバーを決めてスタートし、その過程でフィットしない選手や故障者を入れ替えてチームを作って行くべきじゃないかなと思いますね。