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「狭い車内で一緒にいるから、喧嘩は多い」“改造した軽自動車”に彼氏と住んで3年…29歳女性がそれでも車中泊生活を続ける理由

「軽バン生活」あかねさんインタビュー #2

2023/10/07
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――洗濯、お風呂、トイレはどうしているのでしょうか?

あかね 洗濯は週に1回、コインランドリーを利用しています。ホテルに宿泊しているときは、ホテルの洗濯機を利用することもありますね。

 お風呂は、ゆっくり休みたいときやしっかり汗をかきたいときは銭湯に、さっとシャワーを浴びるだけのときはネットカフェの「快活CLUB」を活用しています。30分300円以下で利用できる店舗もあるから、節約にもなるんですよ。トイレは商業施設やコンビニ、道の駅を利用しています。

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夏場は扇風機やネッククーラーで体を冷やし、暑さをしのいでいるという(写真=あかねさん提供)

――地域によっては、利用したい施設が見つからなくて困ることもあるのでは?

あかね コインランドリーはどんな田舎にもだいたいあるんですよ。銭湯やトイレも、20~30分ほど車を走らせれば見つかることがほとんど。とはいえ、何をするにもGoogleマップで検索して、そこまで移動しなきゃいけない。車だって、どこにでも停められるわけじゃないですからね。1つ1つの行動にいちいち時間がかかるので、毎日があっという間に過ぎていきます。

車で寝ていたら「誰かが死んでいる」と勘違いされたことも

――車中泊ならではの大変なことも多そうです。

あかね Googleマップの情報が正確じゃないことも結構あって、指示通りに行ったのに施設がなかったり、すでに閉店していたりすることもあります。

 あとは、Googleマップって最短距離を教えてくれるじゃないですか。それに従って山道を進んでいたら、草木が生い茂った暗くて細い道に出ちゃったことがあって。しかも隣は崖なんですよ。来た道を引き返すこともできなくて、「このまま遭難したらどうしよう……」と不安になりました。

 他にも、暑い日に窓とバックドアを開けて寝ていたら、近くを通りかかった子どもに「誰かが死んでいる」と勘違いされて騒がれたり、休憩のために車を停めた駐車場に野犬がいて怖い思いをしたこともあります。

食事も睡眠も仕事も車内でできるが、車中泊生活には大変な一面もあるようだ(写真=あかねさん提供)

――ゆっくり休憩や睡眠を取れないケースもあるんですね。

あかね 車中泊は大抵、道の駅に車を停めて仮眠する方が多いのですが、今は極力避けるようにしています。

――なぜ道の駅を利用しないのですか?

あかね 軽バンの外観が目立つからです。道の駅は、私たちと同じように旅の合間に寄る方が多く、視聴者の方々に出会うこともあります。早朝にドアをコンコンと叩かれたり、窓の外から「軽バン生活さんですよね?」と呼ばれたりしたことが過去に何度かありました。声をかけていただくのは嬉しいのですが、車の近くで足音がするだけで起きてしまうようになってしまって。今は24時間開放している駐車場や、公衆トイレが近くにある駐車場を探すようにしています。