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「なんであんたは、どこに行ってもいじめられるのよ!」私立中学を1年で退学した私が「人生が詰んだ」と感じた瞬間

source : 提携メディア

genre : ライフ, 社会, 教育

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考えてみれば私の心は、これまでの人生で幾度となく傷まみれになっていた。幼少期に母から虐待されたとき。母の敷いたレールから完全に外れてしまったとき。そして、こうやって、誰にも見つからないように身を縮めているとき。そうやって自分の存在を押し殺していると、いつしか致命傷になってどんどん苦しくなっていくのがわかる。

私は明るい時間帯に近所の住人に出くわし、じろじろと見られることが怖かった。ゴミ出しなどで私に出くわすと、近所の住民たちはハッとした顔をして、目を逸らす。

「子どもたちはみんな学校に行っている時間なのに、あの子は家にいるんだわ」と陰口をたたかれている気になる。本当はそうでなくても、ひたすら家の中に引きこもっていると精神状態が徐々におかしくなり、そんな被害妄想が私の中で少しずつ肥大化していった。

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私は人目を極端に気にするようになってからは、昼間に出かけることをやめ、昼夜逆転の生活を送るようになった。

引きこもりの当初は、自宅学習をしようと意気込んでいた。勉強だけは遅れをとりたくなかったからだ。

しかし、家の中にいると無気力になり、机に向かう気力すら奪われ、それどころではなくなった。自室に引きこもってボーッとしたり、本を読んだりゲームをしたりして過ごしていた。不登校生徒の多くは、私のように勉強で遅れをとるらしい。私も例外ではなかった。

過去の過ちを母に認めてほしかった

その頃から、私の家庭内暴力がはじまった。母親に向かって暴力を振るうようになったのだ。断っておくが、家庭内暴力は今なら絶対によくないことだとわかっている。

しかし、当時の私は、いつも行き場のない爆発寸前のマグマを煮えたぎらせていて、善悪の分別がついていなかった。いや、きっと分別はついていたはずだ。暴力は悪いことだと私も当然ながらわかっていた。しかし、どうしてもあふれ出る感情を抑えきれないのだ。家庭内暴力のときに、たいていいつも話題に上ったのは、かつて母にされた虐待行為だ。

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