昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2018/12/15

「たしかに“ドックに向いていない人”はいます」

 中には、「人間ドックは治療の必要のない段階の病気まで見つけ出してしまうので、必要以上に患者を不安にさせるだけ」との理由で、ドックの受診に否定的な意見を持つ医師もいる。いわゆる「人間ドック不要論」だ。

 これに対して、前出の鈴木医師は言う。

「たしかに“ドックに向いていない人”はいます。微細な異変に敏感に反応して、不眠に陥るような人は、ドックを受けることでストレスを生み出すことにもなりかねません。特に40代を過ぎて細かい検査をすれば、何らかの異常は出てくるものです。その中には、今すぐ治療をしなくてもいいタイプの“異常”もあるので……」

 一方で、「まったく気にしない人」もいるという。

「精密検査の必要を指摘されても、ほったらかしにしてしまう人がいるんです。これでは何のために人間ドックを受けたのかわからない……。『検査票の読み方がわからない』とか、『医師のコメントが難解』という理由があるようですが、そんな場合には健診施設の医師に説明してもらうサービスもあるので利用してほしい」(鈴木医師)

 安くない金額を払って、貴重な時間を費やし、決して快適とは言えない検査を受けて得た結果を無視するくらい馬鹿馬鹿しい話もないと思うのだが、どの医師に聞いてもこの手の人は一定数いるというから不思議だ。

©iStock.com

複数の医師でダブルチェックしている施設が安心

 最後に鈴木医師に、効率的な人間ドックの受け方を聞いた。

「健診専門の施設だと、治療で訪れている人と接触しないので感染の危険性は低いというメリットはあります。一方、病院併設型の健診施設の場合、病院に勤務する医師やスタッフとの連携ができるという利点があり、このあたりは一長一短です。ホームページなどで確認するなら、検査で得られた画像などを一人の医師が見るよりも、複数の医師でダブルチェックしている施設のほうが安心です。これは施設にとっても売りになるので、ダブルチェックを実践している施設なら、まずホームページにそれを記載するはずです。

 それから、一度受けたデータはその施設に保管されるので、次に受ける時に同じ施設で受けると、小さな変化も見つけやすくなります。つまり、あちこちの施設を転々とするよりも、一つの施設で受け続けることで、そこに自分の医療データを蓄積していくことが受診者にとって大きなメリットになるのです」

 繰り返すが、健診やドックは「見かけ上健康な人」が受ける検査であり、その時点では病人ではない。だからこそ、自分好みの施設を選ぶことができる。色々な情報を見比べて、一生付き合える検査施設と、本当に自分に必要な検査項目を選んでいただきたい。

この記事の写真(5枚)