なぜ会見で、小室圭さんに「相応の対応」を求められたのか
さて、今回の発言である。眞子内親王と小室圭さんの結婚をめぐる問題で、小室さん側の金銭トラブルをめぐる週刊誌報道が相次いでいる事実を踏まえ、宮内記者会では秋篠宮誕生日の記者会見の質問にこれに関する項目を加えた。
それに対して秋篠宮は「私は、今でもその二人が結婚したいという気持ちがあるのであれば、やはりそれ相応の対応をするべきだと思います」、「今いろんなところで話題になっていること、これについてはきちんと整理をして問題をクリアするということ(が必要)になるかもしれません」、「きちんと、どういうことなんだということを説明をして、そして多くの人に納得してもらい喜んでもらう状況を作る」ことが必要だと答えた。人々のなかで疑問が生じている以上、それに対して説明し、答えるべきと主張したのである。
秋篠宮がこうした姿勢を示した理由としては、人々の支持を得ることこそ象徴天皇制にとって重要である、との意識があったものと思われる。1998年の記者会見では「皇室が日本に存在しているのは、やはりあって良かったと思ってくださる人が、国民の支持があるからではないかと思っております。国民がどういうことを期待しているか、関心を持っているか、念頭に置きながらつとめを果たしていく」と話していた(「朝日新聞」1998年11月30日)。ここで「国民の支持」という文言が出てくるが、今回の眞子内親王と小室圭さんに対して説明責任を果たしその上で結婚すべきとの意見はこうした認識から出てくるのだろう。
一方で、今回の会見では「私は、最近はそれほど、娘と話す機会がないので、よく分かりませんけれども」という言葉も出ている。その意味で、公にした言葉は、秋篠宮から娘である眞子内親王へのメッセージとも受け取ることができる。平成の現在、人々の価値観は多様化し、昭和のころのような「理想の家庭像」は描きにくくなっている。皇族が担ってきた「日本人の理想の家庭像」と現状とのギャップをどううめるのか、その模索の過程が見えたのが、長女である眞子内親王の結婚をめぐる問題への今回の秋篠宮の発言だったのではないだろうか。