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最初の頃のファンたちも結婚したり、年を重ねていって

――デビュー当初は、ファンは女性率が高かったとおっしゃっていましたよね。

古内 デビューの時のファンは女性がすごく多かったです。ほぼ女性。男性が来たくても入れないみたいな。恥ずかしい、下着売り場みたいな感じだったと思います(笑)。

 

――それが今は変化した?

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古内 最初の頃のファンたちも結婚したり、年を重ねていって、離れていったり。それでここ10何年かで弾き語りのライブをやるようになって。お酒を飲めるところでライブをやっているせいか、男の人が増えました。酒を飲む男の止まり木的な(笑)。今は半々か、男の人の方が多いぐらいじゃないですかね。

「泣ける曲を書かなければいけない」への反発

――音楽の中身は一緒に変わったりはします?

古内 今回は、6年空いて、デビュー前の頃の曲作りに近づいた気がするんです。それまでは縛られていた部分もありましたし。バラードだとか泣ける曲を書かなければいけないとか。それの反発でもあるんですよね。

――自分が求められていたイメージに縛られずに曲を書けた?

古内 自分の音楽を本当に待っていてくれる人がいるとしたら、泣けるバラードを待ってないと思ってたんですよ。だから今回は、どうしても『Enough is Enough』をリードにしたくて。バラードも何曲かあるんですけど、今回は絶対これにしたいと言ったんですね。そうしたらスタッフの人たちも、いいと思いますって。

 

――音楽が届いて欲しい相手について、最後に聞いていいですか?

古内 仕事を頑張っている女性に聞いてほしいのもありますけど、間接的に子供を育てている女性だったりの応援歌になっていればいい。そうなっていると信じたいです。必ずしも、今新しい恋愛をしていなくても、それが昔の恋愛を思い出したりとかでもいいし。ちょっと隣の席の気になるボーイがいて、その人のことがこの曲を聴いたことによって、なんか妙に気になっちゃうようになったでもいい。私は6年ぶりにアルバムを作り終えて、あぁなんかまだこういう自分残ってたって思ったんですね。こういう恋愛を書ける部分がきちんと残ってた、あぁよかったって思いました。

 

聞き手・構成=速水健朗
写真=佐藤亘/文藝春秋